医者任せにしない!うつ病を克服した私の治療体験記

うつ病は「見えない病気」だからこその治療と理解の難しさがあります。うつ病を克服した私の経験をもとにサイトを立ち上げましたので少しでも多くの方に読んで頂けたら幸いです。

自分さえ我慢すれば・・・

自分が揉め事の中にいる時、「自分さえ我慢すれば…」と思うことはありませんか。

 

もうこれ以上問題を大きくしたくないし、今まで解決を試みたけれど何の進展も無かった場合、そんな想いはより大きくなるように思います。

 

でも、本当に「自分だけが我慢すれば全て円満に治まる」のでしょうか?

 

・あなただけが、心の中に言いたいことをしまうのです。
・あなただけが、周囲の顔色をうかがって神経を使うのです。
・あなただけが、疲弊するのです。

 

あなたが何も言わずに全てを受け入れていれば、確かに周囲の人にとっては「全て良し」かも知れません。

 

その反面、おそらくあなたの心の中には、言い表しようのない『何か黒いモノ』が、どんどん溜まっていくのではないでしょうか?

 

・モヤモヤ・ドロドロとしていて、一度生まれたら簡単にキレイにはならないような何か。
・心の中に溜まるほど、いつ爆発するかわからないような何か。

 

 

私はそこそこ「自分」を持っている方ですが、それでも我慢して自分を押し殺していた時期があります。

 

例えば夫婦間で考え方の違いが起きる度、夫に自分の意見を伝えましたが、最終的には夫の意見に従うことも多々ありました。

 

それは、夫が正しいからではなく、夫と話しても「理解」という結論に至らないからです。

 

あまりにも視点が違い過ぎて、私の言っていることが届かない様子でした。

 

「話の通じない相手と話し合いをする」という行為は、相当に神経を消費します。これが続けば「もういいや、自分が我慢すれば…」ということにもなりやすいのです。

 

 

では、それで私は納得したかと言えば全くそうではありません。一つ我慢をする度に、その倍くらいのストレスが溜まりました。

 

ストレスが溜まり続けた先にあったのは、私の場合「うつ病」というものだったんです。

 

「自分なんて」とか「どうせ」とか「意味がない」とか、生まれるのはそんな感情ばかりという状態になっていきました。

 

本当は「自分なんて」とか「どうせ」とか「意味がない」といった考え方は大嫌いなのです。

 

後々、とても相性の良いカウンセラーと出会うまでは、本当にそんな気持ちに支配され続けてきたんですね。

 

心は一度固まってしまうと、溶かすのが容易ではありません。

 

だから、もしあなたが「固まった心」を感じているのだとしたら、どうぞ思い切ってカウンセリングを受けてみてください。

 

うつ病は薬剤と心理の両面からアプローチして初めて、回復へのスタートをきるはずです。

 

初回で最高のカウンセラーに出会えなければ、2人目、3人目と探してみて欲しいのです。

 

1人で悶々としているだけでは解決しないことも、協力者が現れれば打開できる可能性が出てきます。

 

 

ぜひ、自分自身の心を解放してあげてみて下さい。

 

ガチガチに心が固まっていく様子とそれに伴う心身のネガティブな変化、この二つを体験してきた私ができる、一つのアドバイスです。

 

 

「ネット友人」という心のオアシス

現代社会を見ていると、これだけインターネットが普及しながら、ネット上で人と繋がることをあまり良しとしていません。

 

ネットを介した人間関係から犯罪に発展するケースばかりが取り上げられているからでしょう。

 

 

さて、あなたがうつ病に関する情報を集めようとする時、何を使って調べていますか?

 

主にインターネットではないでしょうか?

 

うつ病者と言えど、多少体が動くようになればパソコンくらいは触れます。しかし人とはできるだけ会いたくない、話したくない。

 

ではどこに情報源を求めるか。

 

書籍かインターネットしかありませんね。

 

 

ある程度、うつ病に関する情報を手にすると、今度はブログやサイトの管理人に対する関心も芽生えてくるものです。

 

話してみたい、相談してみたい、という気持ちですね。

 

これはごく自然なことで、だからこそ当サイトでも度々メールを頂戴しているのだと考えています。

 

こういった、ネットを介した繋がりは必ずしも「悪」ではないと思うのです。

 

リアルな人間関係を避けたいうつ病者にとっては、メールは非常にありがたい手段ですし、それで会話ができれば孤独感も減ることでしょう。

 

自分と同じような経験をしている人がいる、自分だけではなかった、そう発見できるだけでも安堵感は計り知れず大きいものです。

 

何より「自分はうつ病である」と誰もが公言できるわけではないことから、インターネットで「仲間」が見つかることは本当に嬉しいものです。

 

 

もちろん、メール一通やり取りするのでも、失礼のないようにしなければいけませんし、相手がどういう人物かをその対応の仕方から読み取る必要はあります。

 

しかし、実社会において孤独に陥ってしまったうつ病者にとって、インターネットという場は、「同じ経験をしている者同士」という繋がりを発見するための非常に良い場所になり得るのではないかと考えています。

 

 

 

 

「できること」探し

うつ病になると、とにかく自分の「できないこと」ばかりに目が行きやすくなりませんか?

 

以前はできていたことができない。
以前のように頭が働かない。
以前のように活動できない。

 

できない、できない、できない・・・。

 

ずっとこの思考が続くのだとすれば、うつ病者が常に落ち込みの渦の中にいるのも納得ですよね。

 

 

症状が重い時はそれでも仕方ありません。
これがうつ病という病気の症状なのですから。

 

 

ちょっと視点を変えてみたいのが、少し症状が軽くなってきた頃。
家の中であれば動けるようになってきたり、パソコン操作くらいならできるようになったり、何もできず伏せっていた頃から多少なりとも回復してきた頃です。

 

 

この時にぜひやってみて欲しいのが「できること探し」。

 

今までのあなたは、「できない自分」にばかり注目してきました。
嫌でも目に付いてしまうからです。

 

 

でも、「できること」が全くなくなってしまったのでしょうか?

 

 

  • 布団から出られるようになった。
  • 特定の家族となら話せるようになった。
  • パソコンならずっと触っていられるようになった。
  • 何とか食事が摂れるようになった。

 

 

これが「できること」です。
できることが増えるから、行動範囲が広がったり、思考が広がったりします。
これはうつ病者であってもなくても変わりません。

 

 

実際、うつ病の最中にいると「自分のできること」をあえて見たくない、という妙な感情が生まれることがあります。

 

そういう時は無理をして「できること探し」をする必要はありません。

 

ふと「できることって何だろう?」と思えた時で良いのです。
状態が今より悪かった時に比べて、今の自分は何ができるようになっているか、ちょっとだけ振り返ってみませんか?

 

 

これも治療の小さな一歩なのですよ。

 

 

今、休養が必要だったからこそ、その病気と出会ったのだと

f:id:himemayu:20211231133702j:plain


一旦うつ病になると、数日から数週間では完治することはありません。

 

よっぽど軽症の場合は割と早いうちに治ると聞いていますが、一般的に言って、うつ病の原因は根深いところにあるのが通常なので、ちょっと薬を飲んで休んだから治る、というような簡単なものではありません。

 

そうすると、どうしても3ヶ月~数ヶ月、あるいは一年二年という歳月をかけて治療していくことになるわけです。この間、仕事を辞めて休養し、治療に専念することになった人も決して少なくありません。

 

 

休養期間が長期化するにつれ、うつ病患者の心は一抹の不安を感じていきます。

 

こんなに無職の期間が続いて大丈夫なのだろうか?
ちゃんと社会復帰できるのだろうか?

 

そんな想いに駆られる時が必ずあります。
責任感の強い人ほど、この傾向は強いと思います。

 

 

ですがこれだけはどうしようもありません。うつ病という病気の特性上、ごく短期に治すことはちょっと難しく、ある程度の時間をかけなければ薬の効果も現れてきません。

 

患者としては焦る一方になってしまうのですが、ちょっと考えの方向性を変えてみてはどうでしょうか?

 

「今、自分には休養することが必要だったのだ。だから今このタイミングで、うつ病という病気を発症したのだ。」

 

そう思うことはできませんか?

 

今まであなたは、本当によく頑張ってきたのです。何かのために、頑張って頑張って
努力を重ねてきました。でもその半面、あなた自身の中には、ストレスや疲れがどんどん溜まっていったんです。

 

そこで発症したのが、うつ病です。あなたは驚いたことでしょう。治療に時間がかかることを知って、きっと肩を落としたことでしょう。結果として仕事を辞めた人は、将来的な不安も同時に抱えていることでしょう。

 

でも、あなたには、それだけの休養が必要だったのです。今まで心落ち着ける時間も持てなかったあなたには、うつ病という名を借りてでも、休養が必要だったのです。

 

 

うつ病は、表面的には「発症」したのですが、休養が必要だったからこそうつ病と「出会った」というのが、本当の意味だとは思いませんか?

 

f:id:himemayu:20211231133719j:plain

 

「決断はするな」でも「決断しなければならない」こともある

インターネットのうつ病サイトや、うつ病に関する書籍などを見ていると、「うつ病の人は、重要な決断をすることは避けましょう。」という文章を非常によく目にします。

 

実は、個人的には、この考え方は「?」と思うのです。

 

うつ病の原因が会社にあった場合、それでも退職の判断は避けなければいけないのでしょうか?
うつ病のために休職する=退職することに繋がっている会社の方が多いのではないでしょうか?
うつ病が夫婦問題に起因する場合、それでも別居や離婚は避けなければいけないのでしょうか?

 

原因となる事柄や環境からできるだけ離れるのが、うつ病治療の一つのポイントであるはずです。ならば、退職や離婚といった決断も、時には必要になってくるのではないかと思うのです。

 

もちろん、たった一人で思い悩んで、その結果独断で勝手に会社を辞めてしまったとか、勝手に離婚届に判を押して家を出たとか、衝動的な行動は避けるべきでしょう。

 

後先考えない行動は、本人にとって一番マイナスです。

 

しかし、周囲に理解し協力してくれる人がいて、その人たちの知恵と力を借りながら、退職や離婚が一番良い方法だと思った時には、私はそれを決断すべきだと思っています。

 

もちろん、退職や離婚だけに限ったことではなく、他のあらゆる事柄について同様のことが言えると思います。

 

 

マニュアル的には「うつ病の時は判断力が落ちています。重要な決断はしないようにしましょう。」と書いてあったとしても、そのためにうつ病患者が苦しみに耐え続けなければいけないのだとしたら、それは本末転倒です。

 

うつ病患者にだって、自分自身を守るためには「決断しなければならない」こともあるということは、避けられない事実だと思っています。