ハーブの癒し
人間の心身に作用すると言われるハーブ。
入浴剤、ハーブティー、アロマエッセンスなど、今や私達の生活に万遍なく溶け込んでいるアイテムです。
疲れを癒すラベンダー、元気が出るローズマリー、深い眠りに誘うゼラニウム、頭をスッキリさせたい時のミントなど、ハーブにはそれぞれ「得意なシーン」があり、上手に使い分けることで私達の心身をより快適な状態に持っていくことができます。
私が個人的に好むのは、ラベンダー、ローズマリー、ゼラニウム、カモミールあたりで、疲れた時にはラベンダーのオイルでマッサージをしたり、穏やかな気持ちになりたい時はカモミールティーで心から温まったりしています。
時々、深く独特の香りがあるリンデンや、スッキリ系のユーカリなどに惹かれることもありますが、そういう時は上手く眠れていなかったり頭にモヤがかかっていたりすることが多いです。
その時の自分の体調に合わせて、好みが若干変化するのは不思議なところですが、自然由来の薬草・香草だからこそ呼応するものなのかも知れませんね。
体を動かすことが辛い時期でも、本能器官である嗅覚は変わらず敏感なままです。
ですから、ラベンダーの香りがする匂い袋などを枕元に置くだけでも、ひょっとしたら気持ちが落ち着くかも知れません。
少し動けるようになってきたら入浴剤でお湯の香りを楽しんでみて下さい。
思った以上にリラックス効果があることに気が付くはずです。
いずれも、匂い袋を枕元に「置くだけ」、入浴剤をお湯に「入れるだけ」で良いのです。
案外疲れることなく、ゆったりと匂いを楽しむことができます。
匂いという本能刺激によって心が落ち着く様子を味わってみるのも、とても気持ちが良いですよ。
カウンセラーの選び方
うつ病だけでなく、様々な場面で
力強い存在となってくれるのが「カウンセラー」ですね。
私自身、何件かのカウンセリングルームに問い合わせたり実際に出向いたりした結果、とても素晴らしいカウンセラーさんと出会うことができました。
さて、それではどういう条件が整っていれば「素晴らしいカウンセラー」となり得るのでしょうか?
・認定カウンセラーであること?
・臨床心理士であること?
・立派なカウンセリングルームを持っていること?
私の考えでは、素晴らしいカウンセラーかどうかは少なくとも「資格」には左右されません。
何故ならば、人の心を受け止める職業だからこそ、資格という表面的な要素だけでその力を測れるものではないからです。
もちろん、専門的な学習を経て大学院に進み、臨床心理士という資格を取った人は、「心理学」という学問においては非常に優れているでしょう。
しかし、人の心というものは学習した事柄に沿って動くものではありません。
ですから学習量が豊富なカウンセラーよりも実際のカウンセリング量が豊富なカウンセラーの方が、絶対的に質が高いと言っても良いと考えています。
非常に極端な言い方をしてしまえば、専門的な学習を経て資格を得たカウンセラーよりも、人生経験を積んだ聞き上手な「素人」の方が心を解してくれる、そんなこともあり得るでしょう。
あなたが「良いカウンセラーと出会いたい」と思っているのであれば、相手が持つ資格の種類にこだわってもあまり意味はありません。
問い合わせへの対応はどうだったか。実際に受けたカウンセリングは満足感があったか。
自分自身が実際に抱いた印象を参考にすること、それが、自分にとって「素晴らしい相手」を見つけるための最も良い材料になるはずです。
睡眠薬と副作用の理解を深める
うつ病になると、どうしても「不眠」という症状と付き合うことになります。
不眠のタイプは人それぞれなのですが、大きく分けると
〔寝付けない〕
〔夜中に目が覚めて、それ以降眠れない〕
〔早朝に目が覚めて、それ以降眠れない〕
…の三つに分類されると言われています。
必ずしも、この三つのどれかに当てはまる、というわけではなく、「寝付けなくて、やっと眠れたと思ったら早朝に目が覚めてしまってもう眠れない」というように、症状が混ざることも多々あります。
私の場合を例にとっても、ある時期はとにかく寝付けなくて非常に苦労しましたし、またある時期はどうしても早朝に目が覚めてしまって辛かったこともあります。
そういうわけで、うつ病者には睡眠薬が処方されることが多いんですね。
睡眠薬にもやはり種類があり、先ほどの「不眠のタイプ」に合わせて薬の特徴があります。
例えば、
■マイスリー/アモバン:超短時間型(飲んでから数十分内に効果がある)
■レンドルミン/リスミ―:短時間型(飲んでから1-3時間ほど効果が続く)
■ロヒプノール/エリミン:長時間型(飲んでから2-4時間ほど効果が続く)
■ドラールなど:超長時間型(飲んでから数時間-終日に渡り効果が続く)
というように、薬の種類によって、飲んだあとどれくらい効いているかが変わってきます。
医者は、あなたの不眠の状態、副作用の程度をよくヒアリングした上で判断し、どの薬が良いかを決めるわけです。
ただ、睡眠薬というのは、多かれ少なかれ副作用が出やすいんですよね。
私も経験がありますが、夜中にむくっと起き出して、一心不乱にお菓子をむさぼり食うという奇行が目立った時期がありました。
起きた後は、自分でもあまり記憶がないんですよ。
それで日中になって、お菓子を食べようと思ったのに無くなっているので、「誰か食べたの?」と家族に聞いて失笑されました。(汗)
そういった健忘やもうろうとした状態になることもあるので注意はいつも必要です
治療に役立つ書籍を読む
うつ病に関する書籍はたくさん出ていますが、中でも実際に私や私の家族が参考書として読んでいたものを、ご紹介しましょう。
精神科セカンドオピニオン 2という本ですが、これは、四国のある精神科医師と患者家族が協力して作り上げた、他に例を見ない優れた書籍です。
何より、患者が自らの誤診と誤処方からくる苦しみをいかにして乗り越えてきたか、その実録が記されているので、同じ精神疾患を患う者として、非常に共感して読むことができます。
どのような症状に対し、医師がどんな診断と処方を行ったか。
その結果、患者にはどのような症状が見られたのか。
そのような、いわゆる学術書の類ではわからないことが盛り込まれています。
この本が単なる体験談集ではないと言える点は、薬と症状の因果関係を把握できるということだけではなく、いかに精神科の医師の診断と処方に甘さがあるかを理解できることにあります。
これまで「お医者様」に頼るしかなかった患者たちが、いかにして自ら立ち上がり、回復の傾向が見られない日々から這い上がっていったか、その記録は私たち自身のうつ病治療を考え直す意味でも非常に意義深いものと言えます。
うつ病患者自身が本を読める状態でなければ、その家族が読むなりして、ぜひこの本からヒントを得て欲しいと思います。
うつ病患者の掲示板
人に会いたくない、話したくないというのが抑うつ症状の特徴的なところで、人との関わりをできるだけ排除しようとしてしまいます。
結果として、他人とは最小限の交わりしか持たず、家に閉じこもることが多くなるため、とても孤独になりやすいのです。
本人にとってそれが気楽なのであれば、それはそれで良いのですが、「うつ病患者同士のネットワーク」を覗いてみるのも、良いのではないかと思います。
家に閉じこもりがちになるのは、どのうつ病患者も同じことで、おのずとパソコン画面に向かう時間も多くなってきます。
そんなうつ病患者同士が、インターネット上で交流しているのを知っていますか?
WEB検索で「うつ病 掲示板」と打ち込んで探してみると、うつ病患者の立ち上げた掲示板がずらっと出てきます。本当にたくさんあるんですよね。
そしてそれぞれの掲示板には、同じ病気を抱えた仲間たちが集っています。
掲示板で交換されている情報は、お互いの症状の辛さの相談であったり、薬や病院の情報だったり、活用できそうな社会制度の情報だったりと、実に様々です。
何より、同じ病気を持った者同士、わかりあえるのが良いですね。
地元の仲間と交流したい場合は、先ほどの検索に地域名を加えて探してみると、該当する掲示板やサイトが出てきますよ。
人との関わりを避けようとするうつ病患者が、掲示板だとこれだけ盛んに交流を深めているのは、うつ病という病気をわかりあえるということもそうですが、インターネット上のやり取りという気軽さが、後押ししていると思います。
さらに地域の掲示板の場合、オフ会を開いて実際に集合することもあるかも知れません。
何より、とても情報収集がしやすいと思います。薬のこと、医者選びのこと、自分の症状のことなど、自分よりもよく知っている人達がいろいろと教えてくれるでしょう。
どんな専門サイトより、経験者の声が一番重くて参考になるものです。
そうやって参加しているうちに、人と関わることへの抵抗も、徐々に薄れていくのだと思います。
少しでも社会との繋がりを保ち続けるために、理解者を持つために、そしてうつ病患者にとって必要な情報を仕入れ正しい認識を持つためにも、こういった掲示板の類を有効活用してみると良いと思います。