治療に役立つ書籍を読む
うつ病に関する書籍はたくさん出ていますが、中でも実際に私や私の家族が参考書として読んでいたものを、ご紹介しましょう。
精神科セカンドオピニオン 2という本ですが、これは、四国のある精神科医師と患者家族が協力して作り上げた、他に例を見ない優れた書籍です。
何より、患者が自らの誤診と誤処方からくる苦しみをいかにして乗り越えてきたか、その実録が記されているので、同じ精神疾患を患う者として、非常に共感して読むことができます。
どのような症状に対し、医師がどんな診断と処方を行ったか。
その結果、患者にはどのような症状が見られたのか。
そのような、いわゆる学術書の類ではわからないことが盛り込まれています。
この本が単なる体験談集ではないと言える点は、薬と症状の因果関係を把握できるということだけではなく、いかに精神科の医師の診断と処方に甘さがあるかを理解できることにあります。
これまで「お医者様」に頼るしかなかった患者たちが、いかにして自ら立ち上がり、回復の傾向が見られない日々から這い上がっていったか、その記録は私たち自身のうつ病治療を考え直す意味でも非常に意義深いものと言えます。
うつ病患者自身が本を読める状態でなければ、その家族が読むなりして、ぜひこの本からヒントを得て欲しいと思います。