統合失調症はうつ病と関係があるの?
統合失調症がもともと精神分裂病と呼ばれていたことは、良く知られています。ですが、2002年に、「精神分裂病という名前では、精神的に全てが壊れているような響きがあり、差別や人格否定に当たる恐れがある」ということで、統合失調症という名前になったんです。
その原因は脳内神経物質のバランスにあると言われていますが、実はまだ明らかになっておらず、仮説の段階なんです。ですから、対症療法的なところがあるのも事実なんですよね。
さて統合失調症になると、次のような症状が出てきます:
○感情に乏しい
○幻聴(悪口や脅し、誰かからの命令が聞こえるなど)
○妄想的(ひどく被害者思考になったり、あり得ないことを信じたりします)
○まとまりのない思考
○慢性疲労
○人と会うのを嫌がり閉じこもる
○不安や焦り、不眠
他にも挙げられる症状はありますが、これだけ見ても、うつ病と共通する部分があるのはおわかりでしょう。またどちらも〝脳内物質のアンバランスが原因〟と言われていますしね。ですから、うつ病と統合失調症の線引きは、どのような症状が多く見られるか、ということで判断されるんです。ハッキリ言って、いまだ原因不明なんです。
うつ病との関連性ですが、基本的にはありません。うつ病になったからと言って、統合失調症になるわけではないのです。でもすでに統合失調症である場合は、その病態から、抑うつ的な症状は見られます。
関連性があるとすれば、血縁の中に統合失調症やうつ病の人がいたりする場合、同じ血縁内で同様の病気を発病する人が出る、という傾向はよく見られるそうです。でも、これもあくまで〝傾向〟なので、明確な関連性は今のところわかっていません。