うつ病と燃え尽き症候群は同じもの?
・大きな目標を成し得た後のスポーツ選手
・長年に渡る勤務を終えた後の定年退職者
こういう人達にたまに襲いかかるのが、「燃え尽き症候群」と呼ばれる状態です。
ある一つの目標や使命感に向けて長期間に渡って全力を注いできた人達は、ゴールに到達することでそれまでのたぎるような想いがフッと抜け出てしまうことがあります。
今までの活力に溢れた表情からは生気が消え、心のエネルギーは枯渇し、いわゆる虚脱感に襲われてしまうんですね。
うつ病という病気も、人によってはこの燃え尽き症候群と深く関わりがある、とも言われています。
全く同じものとは言い切れないが、全く無関係であるとも言い切れない、そんな関係性にある症状です。
「私が頑張らなければいけない」
「くじけてはいけない」
「私が背負わなくてはならない」
そんな使命感を背負い続けていく様は心理的にもかなりギリギリのラインを保ちながら綱渡りをしているかのようです。
体力的にもひどく疲れを感じ、精神的にも追い詰められていっているのに、それでも自分にムチを打って活動しようとする。
それで物事が解決すればまだ良いのですが、うつ病者のケースでは、解決どころか問題が長引いたり複雑化してしまったために、状況がより悪化することも多いようです。
散々自分にムチを打ってきたのに、その結果待っていたのは「挫折」「折れた心」「エネルギーの枯渇」だったりします。
これはとても辛い状態です。
燃え尽き症候群っぽいな…という人もうつ病者と同じように、ゆっくりと療養する必要があります。
それまでずっと全身全霊を込めて頑張ってきたのですが、心の中には様々な葛藤や疲れもあったことでしょう。
でも、ずっと、そのようなマイナス要素から目をそむけて前だけを向いて歩こうとしてきたのです。
山登りをする時には、当然ながら、途中で休憩を入れながら、ゆっくりと歩を進めます。
人生も同様であり、疲れたら休む、休んでまた歩く、この繰り返しだと言えるでしょう。
この大切なプロセスを忘れて暴走してしまうのが、うつ病者や燃え尽き症候群の人達の一つの特徴だと言えるかも知れません。
思い当たるな、と思ったら十分に身体と心を休めて欲しいと思います。
もう一度、人生という山を登り続けていくために。