「私を病人にするな!」うつ病を受け入れたくない人達
うつ病の超初期段階では、急激な落ち込みや食欲の変化、また不眠などいろいろな症状が目立つようになります。
ところが、周囲でそれを見ている者にとっては明らかな異変であるにも関わらず、当の本人がそれを「異常」と受け入れられないケースがあります。
周囲の者がいくら「今までのあなたの様子と明らかに違うから病院へ行った方がよい」と言っても、本人が聞く耳を持たないのです。
本人にしてみれば、たまたま悪いことや大きな壁が重なって現れたために、自分はいつも以上に少々頑張っているにすぎません。
いつもよりパワーのいる「壁」だから、いつもと違う自分になるのも仕方ないのです。
ですから、まさか自分の様子が病的などとは夢にも思わない、ということも多々あるわけです。
こういう時に、いくら周りの者が「おかしいから病院へ行ってくれ!」と声を大にして言ってみたところで、ますます本人は殻を閉ざしていくばかり。
「私を病人にするな!」と、取り付く島がありません。
しかし、周囲の者には「おかしい」と映るわけですから、やはりそのまま放っておくわけにもいきませんよね。
どうしても本人を一人にしておけない、何とかして行動を起こして欲しいという時には、どうして周りが病院に行けと心配するのか、これをしっかりと理解してもらうことも必要です。
「病人扱いして欲しくない本人の気持ちもわかるものの、このままでは周囲の不安ばかりが募り、周りまで調子を崩してしまう。」
このことが本人にも伝わり、本人の一方的な「自分を病人にするな!」という気持ちを徐々に溶かしていくことも大切ですね。