放っておけば自然治癒するのか
うつ病は、その程度が軽い場合は、特に薬を飲まなくても自然治癒することは可能です。これはうつ病に限らず、パニック障害でも強迫性障害でも同じことで、薬物治療を受けずにそのまま回復する人も結構多いものです。
ですが、自分の抑うつ症状が果たして自然治癒できるほど軽いのかどうか、これを自己判断できる人はいないでしょう。
何より、うつ病はもともと、人間関係や仕事などが絡んだ大きなストレスに起因することが非常に多いので、うつ病の危険因子が隠れているような環境に身を置き続ける限りは、うつ病が自然治癒することは難しいということを認識しておくべきです。
ストレス源となる環境にいれば、自然治癒するものも叶わなくなります。そして、自然治癒を待つ間は、抑うつ症状とストレス源との板挟みで、辛くて苦しい生活を我慢しなければなりません。これでは元のもくあみです。
そうなるとやはり、精神科を訪れてきちんと治療を行っていく方がはるかに負担が軽く、徐々にですが症状も治まっていきます。
最近の薬は副作用が少ないものもちゃんとあるので、処方さえ間違いがなければ、安心して快方を目指すことができます。また認知療法といった心理的なアプローチを行うことで、ネガティブ思考を改善することもできます。せっかく〝回復のための方法〟がきちんと用意されているのですから、大いに活用して良いのではないでしょうか。
いずれにしても、一度は心に多大な負荷がかかってうつ病になったのですから、きちんと休養期間を設けることは必須ですね。