睡眠障害と食欲障害
うつ病の症状は、〔精神的症状〕と〔身体的症状〕に分けることができます。そのうち〔身体的症状〕として、睡眠障害と食欲障害が身体の状態を大きく左右することになります。
〔睡眠障害〕
寝付けない、眠りが浅くてすぐ目覚める、朝早く目覚めてその後眠れないなど、十分な睡眠時間を確保できないケースが、うつ病ではよく見られます。いつも通りの時間に布団に入るのに、寝付くことができるのは午前3時頃、でも6時になると目が覚めてしまうので正味3時間しか眠れていない、というような例はいくらでもあります。
十分な睡眠がとれていないと、だるくて日中の行動にも影響がでますから、必要に応じて適量の睡眠薬を処方してもらう必要があります。
逆に、眠り過ぎてしまう(過眠)こともありますので、この場合は多少無理やりでも規則正しい寝起きをした方が良いです
〔食欲障害〕
抑うつ症状としては、食欲が低下します。健康な時であれば、「何を食べようか」という楽しみがありますが、抑うつ症状下では「食」に興味すら覚えなくなってしまいます。食の関心が落ちたうつ病患者の場合、食べるという行為は、どちらかと言うと〝生命維持のために機械的に食べている〟という感じにも似ており、味も素っ気もないものだったりします。
基本的に食欲が低下していますから、食べる量も自ずと減ります。その結果、体重が顕著に減少するのです。
逆に、異常な食欲が湧き、食べ過ぎる(過食)こともあります。かなり衝動的な食欲であることが多く、満腹感というものが得られません。結果として、体重はどんどん増加していってしまうのです。
食欲障害は、薬物治療で抑えることもできます。