うつ病の性衝動
当サイトを含めて、あまり取り上げられることのない「うつ病者の性衝動」。
でも実は、うつ病者にとっては結構深刻な問題なんです。
いろいろなうつ病サイトでも紹介されている通り、またご自身で経験されている通り、うつ病になると極端に性欲が鈍化します。
ほとんど無くなると言っていいと思います。
性欲が無くなるくらい、大した問題ではない、と考える人もいるかも知れませんが、場合によっては一大事ですよ。
例えば次のようなことが考えられます。
●性生活がギクシャクする ― 夫婦間の関係が疎遠になる可能性
●自慰行為が無くなる ― 男・女としての自信喪失の可能性
●男性・女性としての魅力の減退 ― 外見も心もが著しく老ける可能性
これらのことは、普段は注目しない分、いざ自分がその状況に置かれた時のショックと言ったら結構なものがあるんです。
性欲は動物の本能ですからね、「性欲を失うこと=生殖機能の危機」と脳が捉えるんじゃないでしょうか。
しかも、抑うつ状態ですから、「自分はもう女じゃないんだ、生きてる意味がない」といったような極端思考に走ることも多々あります。
これも立派に、うつ病治療においては障害になりえる事象なんです。同じ本能でも、「食欲がないから生きる意味がない」とは考えませんよね?
でも性欲の場合は、「生きる意味」をついつい考えてしまうきっかけになりやすいんです。人間も動物である以上、本能である性欲から目を反らすことは、回復を目指す上ではむしろ不自然なのだということを、頭に入れておいた方が良いと思います。
本能は意識的に回復するものではありませんから、焦る必要はないのです。食欲を一時的に失っても自然と回復するように、性欲もいずれ自然に湧いてくるものだと、気楽に構えるようにしたいものです。