セカンドオピニオンがもたらす気付き
セカンドオピニオンは、日本ではまだまだ浸透しきっていないように思います。医師によっては、自分が診断したにも関わらず、患者が別の医師にセカンドを求めに行くことを、快く思わない人もいます。
ですが、セカンドオピニオンは、患者が自分自身の病気の状態を客観的に捉え、いろいろな治療の選択肢について知り、病気回復のための最適な方向を定めていくには、非常に重要なものなのです。
医師のご機嫌をそこねるのが怖くてセカンドを受けないのだとすれば、それは患者にとって全く本末転倒なものです。
セカンドオピニオンを受けると、いろいろなことに気付くことができます。
自分の病名、処方の内容、医師との相性、得られる情報の質など、どれをとっても有益な気付きです。そしてこれらは、1人の医師のもとにいるだけでは、なかなか気付くことができないことばかりです。
また、私の場合は、前述の医師が提供していたセカンドオピニオンの掲示板に参加していたので、全国の同じ病気の人が、一体どんな処方を受け、どんな副作用に苦しみ、そしてどうやって薬を変えたり減らしたりして回復して行ったのか、をリアルに知ることができました。
この場合は、掲示板の特性上、多くの患者による情報を得られたため、自分一人では決して気付くことのない有益な情報を、常に仕入れることができた、というメリットがあります。
どんなことでもそうですが、狭い枠の中で閉じこもって活動していると、どうしても視野が狭くなりますよね。でもそこから一歩外に踏み出すと、今まで気付かなかったようなことがどんどん自分の中に入ってくるんです。
一つ新しいことを吸収するたびに、少し視野が広くなり、その分選択肢も増えていきます。
うつ病という、閉塞的になりがちな病気だからこそ、セカンドオピニオンや患者同士の掲示板を通して、自分の病気や治療方針、処方内容などを客観的に見つめる機会を持てることは、本当に大切なことなのです。