のれんに腕押し
医師によっては、まるで手応えのない、頼りない問診を行う場合があります。
定期的な問診で「どうですか?」と聞いてくるものの、こちらが昨今困っている症状を伝えても、ありきたりな回答を返すばかり、というケースです。
「どうしても夜中に起きてしまうんです」という悩みに対し、「寝る前にコーヒーなどの刺激物は摂取しないようにして下さい」という医師の言葉は、すでに自分自身にとってはわかりきったことなのです。
「イライラが治まりません」という悩みに対し、「少しリラックスできる環境を持ちましょう」と言われても、リラックスの方法がわからないから「うつ病」なんですよね。
どうも、ピンと来る回答を返せる医師は、非常に少ない気がしてなりません。
うつ病歴が長くなれば、その分経験値も上がりますから、医師による回答が当たり前すぎて、表面的な言葉に聞こえてくることさえあります。
もちろん医師は専門家ですから、患者よりはるかにうつ病のことを知っているわけですが、少なくともこちらが具体的な質問をしない限り、問診での医師の言葉は、まるで「のれんに腕押し」のように手応えがないのです。
これは逆に言えば、うつ病者自身も病気について少しづつ勉強し、より具体的で役に立つアドバイスを「医師から引き出す力」を見に付ける必要がある、ということかも知れませんね。