医者任せにしない!うつ病を克服した私の治療体験記

うつ病は「見えない病気」だからこその治療と理解の難しさがあります。うつ病を克服した私の経験をもとにサイトを立ち上げましたので少しでも多くの方に読んで頂けたら幸いです。

こころの問題?脳の問題?

今回は、個人的な見解も含みながらお話させて頂きます。

 

過日、NHKうつ病の最先端治療に関する番組を放映していました。

 

アメリカのとあるうつ病患者さんを追うドキュメント形式で、従来の薬物療法とは全く異なる治療法を行うことによって劇的に回復していった、というものです。

 

番組内では、アメリカにおけるうつ病治療の最先端として、以下の特徴と方法を挙げていました。

 

  • うつ病は心の病気ではなく脳の病気である
  • 不安感や悲しみなどの感情を司る「脳の扁桃体」が暴走している状態である
  • 脳の前頭葉にあるDLPFC(背外側前頭前野)を刺激することで、扁桃体の暴走を抑えることができる

 

番組で紹介されていたのは「経頭蓋磁気刺激(TMS)」という方法で、毎日、前頭葉に磁気刺激を直接与えて治療を行っていきます。その効果は早期から見られ、治療を受けていた男性は、わずか一週間程度で食事を摂ったり外出したりすることができるようになりました。

 

 

さて、「うつ病」とは果たして、「こころの病気」なのでしょうか?
それとも「脳の病気」なのでしょうか?

 

これが、今回この番組を観て感じた私の個人的な違和感です。

 

 

うつ病に対しては、精神面・脳科学の両面からアプローチがなされており、それぞれの分野において治療方法の研究が進められているようですが、今回私が違和感を感じたのは「脳に磁気を当てて症状が回復してきたからOK」で済んで、本当に良いのだろうかという点です。

 

結果として脳の一部分に異常が起こっているのかも知れませんが、その人がうつ病になった背景にはそれなりの大きな出来事があるのではないか、と考えるとしっくりきません。

 

磁気刺激で前向きになれること自体は悪いことではないでしょうが、元々その人が「なぜうつ病に陥ったのか」という背景事情は必ず目を向けるべきでしょう。

 

番組では、認知行動療法の紹介もされていましたので、科学的アプローチとメンタル的アプローチの両方をもって治療に当たるのが最も自然であろう、というのが、一人のうつ病経験者としての率直な印象です。